コードの練習をしていると「#(シャープ)」や「♭(フラット)」といった記号を、見かけることがあると思います。初めて見かける人にとっては意味がわからず、また意味を知っている人でもどう使い分けたら良いのか迷ってしまうでしょう。
そこで本記事では、#・♭の意味や違い、使い分けについて解説します。さらにギターでの弾き方についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
#・♭の意味や違い、使い分けを解説
まずは#・♭の意味を知り、その後それぞれの使い分けについて学びましょう。
#(シャープ)は「半音上げる」の意味
#(シャープ)は「半音上げる」を意味します。例えば「C#(ド#)」のコードは、「C(ド)」のコードを、半音上げたものです。
また「半音」とは、音の間隔を表し、ギターでいうとフレットひとつ分を指します。ギターは音がブリッジ(ギターを立てたとき下になる方)に移動するほど音が上がるので、フレットひとつ分ブリッジ側に移動させると、音を#させられます。
ただし、コードを#させる場合には、注意点もあります。後で#・フラットがついたコードのギターでの弾き方を解説するので、詳しくはそちらを参考にしてください。
♭(フラット)は「半音下げる」の意味
♭(フラット)は「半音下げる」を意味します。例えば「E♭(ミ♭)」のコードは、「E(ミ)」のコードを、半音下げたものです。
下げる場合は、#とは反対に、ギターのヘッド側(ギターを立てたとき上になる方)に音を移動させます。
#(シャープ)♭(フラット)の違い・使い分け
勘が良い人は「#・♭どちらでも表せる音は、どちらを使えば良いの?」といった疑問が出てくるでしょう。
例えば、「D(レ)」と「E(ミ)」の音の間隔は全音(半音2つ分)のため、間の音は「D#(レ#)」とも「E♭(ミ♭)」とも表記できます。
この場合、どちらを使うかは「曲のキー」によります。そのキーのダイアトニックコードを並べたとき、同じアルファベットが2回出てこないよう、#と♭を使い分けてください。
とはいえ、ギター初心者の方は自分でコードを書き出すことはあまりないと思うので、ひとまず#・♭の意味と弾き方が分かればOKです。
#・♭がついたコードの弾き方をギターで解説
#・♭がついたコードをギターで弾く方法は、以下のとおりです。
- #・・・コードをブリッジ側(ギターを立てたとき下になる方)に1フレット分ずらす
- ♭・・・コードをヘッド側(ギターを立てたとき上になる方)に1フレット分ずらす
ただし、注意点があります。
それは「オープンコードをこの方法で#・♭させてはいけない」ということです。オープンコードとは、以下のような開放弦(何も押さえてない弦)が含まれるコードは、そのままずらせません。

オープンコードをそのままずらすと、指で押さえている弦の音は変化しますが、開放弦の音はそのままだからです。
例えば、上記のDコードの場合、1~3弦はずらせば音が変わりますが、4・5弦の音はそのままになります。
そのため、#・♭コードを押さえる場合は、バレーコードを使いましょう。バレーコードとは、FやBのような、全ての弦を指で押さえるコードです。
#・♭の意味・違いを知って使い分けよう!
本記事では、#・♭の意味や違い、使い分けについて解説しました。
#は「半音上げる」、♭は「半音下げる」の意味です。同じ音をどちらで表すかは、曲のキーによって変わります。
#や♭のついたコードをギターで弾く場合、コードをブリッジ側かヘッド側にずらすだけでOKです。ただし、オープンコードではなく、バレーコードを使用しましょう。