単音弾きとは、文字通り1本の弦を1つずつ弾く奏法であり、メロディーを奏でる際に多用されます。ギターの主な弾き方はこの「単音弾き」と、「コード弾き」の2つですが、なかには違いやそれぞれの特徴がまだわかってない方もいるでしょう。
本記事では、「ギターの単音弾き」とは何かを詳しく解説し、その特徴や練習方法、さらには他の奏法との違いを徹底的に比較します。
単音弾きの基礎を学び、上達のコツを知ることで、あなたもスムーズにメロディーを奏でられるようになりますので、ぜひ最後までお読みください。
ギターの単音弾きとは?コード弾きとの違いを解説
ギターの単音弾きとは、1本の弦を1つずつ弾きながらメロディーを奏でる奏法で、ギターの演奏の基本とされます。例えば、曲のイントロのメロディーやギターソロなどは、単音弾きで演奏されることが多いです。
以下の動画の0:05~のようにメロディを弾いてる状態を単音弾きといいます。
一方で、コード弾きとは複数の弦を同時に弾いて和音を奏でる方法です。歌や他のメロディ楽器の伴奏などで、主に使われます。単音弾きがメロディーを奏でるのに対し、コード弾きは反対にメロディを支える役割を果たします。
ギター初心者にとって、単音弾きはシンプルで簡単なため取り組みやすく、ギターを始めて最初の練習に最適です。
ギターの単音弾きと他の奏法の違いを徹底比較!ストロークやアルペジオとの違い
ギターの奏法には、他にもさまざまなものがあります。ここでは、代表的な「ストローク」と「アルペジオ」について詳しく比較します。
ちなみにストロークもアルペジオも、コード弾きの一種です。コード弾きについては、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひそちらも参考にしてください。
ストロークとの違い
ストロークは、ピックや指を使って複数の弦を上下にかき鳴らす奏法で、コード弾きの一種です。「コード弾き」というと、ストロークを指すことが多いです。
以下の動画の1:06~でしているのが、ストロークです。
ギター初心者の方は、まずは単音弾きとストロークでの単音弾きを練習すると、良いでしょう。
アルペジオとの違い
アルペジオは、コードの音を1本ずつ順番に弾く奏法で、これもコード弾きの一種です。
以下の動画の0:05~でしているのが、アルペジオです。
単音弾きと同じく一本ずつ弾きますが、大きな違いはその役割です。
単音弾きはメロディを奏でるのに対し、アルペジオは一本一本の音を伸ばして順番に重ね、最終的にはコードを奏でます。
初心者必見!ギターの単音弾き練習法と上達のコツ
初心者に適した練習法と、上達のポイントを紹介します。
ギター単音弾きの練習方法
単音弾きの練習方法を、2ステップで解説します。
1. まずは右手だけで練習する
最初から右手と左手を同時に動かすのは難しいので、まずは右手の動きだけを練習しましょう。
単音弾きはコード弾きよりも、右手の動きが細かいです。そのため、以下の手順で一本ずつ弦を弾くことに慣れましょう。
- 左手はギターを支えるだけで弦には触れないように持ちます
- ピックを使って下向きに弦を弾きましょう(下向きに弾くことをダウンピッキングと言います)
6弦(一番上の太い弦)からスタートし、4回ダウンピッキングをしたら次の1つ下の弦に移ります - 手順2を繰り返し、1弦(一番下の細い弦)まで移動します
- 1弦まで移動できたら同様の手順で6弦まで戻りましょう(弦を弾く向きはダウンピッキングのままです)
ダウンピッキングのみの弦移動に慣れたら、上向きのピッキング(アップピッキング)と組み合わせましょう。
ダウンピッキングとアップピッキングを交互にする弾き方を、オルタネイトピッキングといいます。名前は覚えなくても良いですが、オルタネイトピッキングが単音弾きの基本となるので、ぜひ習得しておきましょう。
オルタネイトピッキングもダウンピッキングと同様に、4回弾いたら次の弦に移る練習をしましょう。
このとき、ダウンとアップを合わせて一回と数えます。なので上下上下上下上下で、次の弦に移るということです。
2. 左手の指運びをマスターする
右手で一本ずつ弾くことに慣れてきたら、左手を加えます。単音弾きの超定番練習である「クロマチックスケール練習」をしてみましょう。
- まずは左手人差し指で、6弦(一番上の太い弦)の1フレット(一番左端)を押さえ、ダウンピッキングで6弦を一回弾きます
- 次に左手中指で6弦の2フレットを押さえ、ダウンピッキングで6弦を一回弾きます
- 同様の手順で、薬指で6弦の3フレットを押さえて一回弾きます
- 同様に、小指で6弦の4フレットを押さえて一回弾きます
- 5弦に移り、同様に人差し指から小指まで一回ずつ弾きます
- 上記の手順を繰り返して1弦まで移動します
ポイントは、フレットに対して左手の使う指を固定することです。1フレットは人差し指、2フレットは中指、とかならず決まった指で弾きましょう。
これは、すべての指をバランスよく鍛えるためです。恐らく最初のうちは、小指や薬指がかなり動かしにくいでしょう。
しかし、左手の動きは地道に動かす練習を繰り返すことでしか、上達しません。なのでいつも人差し指や中指ばかり使ってしまう、といったことにならないよう、すべての指を使うように練習してください。
慣れてきたら右手をオルタネイトピッキングに変えます。オルタネイトピッキングは、上下交互に弦を弾くので、1フレットのときはダウンピッキング、2フレットのときはアップピッキング、3フレットはダウン、4フレットはダウン、となります。
ギター単音弾き上達のポイント
ギター単音弾きを早く上達させるための、2つのポイントについて解説します。
メトロノームを使う
メトロノームは、設定したテンポでガイドとなる音を鳴らしてくれる機械です。楽器練習をするうえでは必須のアイテムで、ギターに限らずさまざまな楽器の練習で使われます。
よくメトロノームを使うのをめんどくさがって、使わない人が多い(特にギタリストは多いです。笑)ですが「一定のテンポに合わせて演奏する」というのは、楽器演奏の基本中の基本。これができないと、人合わせたときに「リズム感のない人」になってしまうので、かならずメトロノームは使いましょう。
とはいえ、ギター初心者の頃はまだまだ弾くスピードが遅く、メトロノームに合わせるのが難しいと思います。なので、ある程度練習に慣れてきて、スピードが出せるなと思ったらメトロノームを使いましょう。
最初はゆっくりしたテンポ(60など)から始めて、少しずつスピードを上げるようにしてください(数字が大きくなると早くなります)。
ちなみにメトロノームは、専用の機械もありますが、無料のアプリなどでも十分です。
短く簡単なフレーズから始める
最初は短くて簡単なフレーズから練習しましょう。いきなり早いフレーズや長いフレーズに挑戦すると、全然弾けなくてやる気が無くなります(始めたばかりなので弾けないのは当たり前です。僕もそうでした)。
まずは、本記事で解説しているクロマチック練習や、以降で解説する簡単に弾ける曲から練習しましょう。
簡単にできるギターの単音弾き演奏例
初心者が単音弾きを楽しみながら練習するためには、シンプルで覚えやすい練習曲を選ぶことが重要です。ここでは、初級者向けの単音弾き練習曲をいくつか紹介します。
1. きらきら星
「きらきら星」は、メロディーがシンプルですし、誰でも聞いたことがあるので、単音弾き練習にぴったりです。またリズムもほぼ一定なので、押さえるポジションや右手のことだけに集中できます。
2. ハッピーバースデートゥーユー
「ハッピーバースデートゥーユー」も、誰もが聞いたことのある曲で練習しやすいでしょう。
しかし、きらきら星に比べるとリズムが少し複雑なので、ポジションを覚えられたらリズムにも気を使って練習するようにしてください。
3. あいみょんの「マリーゴールド」
あいみょんの「マリーゴールド」のイントロフレーズも、かなり簡単です。「童謡は子どもっぽすぎて練習する気になれない」という方は、ぜひ挑戦してみてください。
ポイントは「どこまで音を伸ばすのか」を意識することです。音がブツブツ途切れてしまうと、フレーズは間違ってなくてもかっこよくならないので、注意してください。
ギターの単音弾きでメロディを弾いてみよう!
本記事では、ギターの単音弾きについて、その基本や他の奏法との違い、具体的な練習方法、そして初心者向けの練習曲まで詳しく解説しました。単音弾きは、ギター演奏の基本でもあり、ギターソロなどさらに高度な演奏技術でもあります。
最初は一本ずつ弦を弾いたり、左手をスムーズに動かしたりするのが難しいと思いますが、地道な練習を繰り返せばかならず上達するので、コツコツと練習を続けましょう。
また単音弾きと同様に、コード弾きもギターには必須の奏法です。まだコード弾きをしたことがない方は、ぜひこちらもチャレンジしてみてください。