ギターを練習していると必ずぶつかる壁が、Fコードです。Fコードは他のコードに比べて圧倒的に難しく、Fコードのせいでギターに挫折してしまう人も少なくありません。
しかし、Fコードは地道な練習を続ければ、誰でも必ず弾けるようになります。また、どうしても弾けない場合の対処法もあります。Fコードはあくまでただの1コードですので、これを理由にギターをやめてしまうのは、とてももったいないです。
そこで本記事では、Fコードの押さえ方の基本から、Fコードをキレイに押さえるコツ、キレイに弾けないときの対処法などについて詳しく解説します。
Fコードを理由に挫折してしまう人を、一人でも減らすために本気で書きました。ぜひ最後までご覧ください。
ギターFコードの押さえ方を表付きで解説
Fコードの押さえ方は、以下の通りです。

コード表(ダイアグラム)の見方がわからない方は、以下の記事を参考にしてください。
Fコードの特徴は、1フレットを人差し指1本で全て押さえている点です。
CコードやDコードなどは、指1本につき1つの音しか押さえません。
しかし、Fコードは人差し指を寝かせて、1フレットの6弦から1弦までの全ての音を押さえます。このように1本の指で複数の弦を押さえることを「セーハ」といいます。
それ以外の5,4,3弦の音はそれぞれ1本の指で1音ずつ押さえます。
ギターのFコードはなぜ難しい?
Fコードが難しい理由は、なんといっても人差し指1本で6弦から1弦まで押さえる(セーハしている)点です。セーハのせいで、他のコードに比べて力が必要なため、Fコードは特別難しいのです。
また、人差し指はピンと伸ばしながら、他の指は曲げなければならず、複雑な形に鳴っている点もFが難しい理由です。
ギターのFコードを簡単に押さえるコツ
以下の2つのポイントを意識すると、Fコードを押さえやすくなります。
- 親指の位置・向きに気をつける
- 人差し指の「指先」と「付け根」をしっかり押さえる
親指の位置・向きに気をつける
コードを押さえるとき、多くの人が弦を押さえている人差し指や中指ばかり気をつけてしまいます。しかし、実は裏側にある親指もかなり重要な役割を担っています。
親指は弦を押さえている指の支えなので、親指の位置や向きがおかしいと、それ以外の指に上手く力がはいりません。
親指のベストポジションはコードによって少しずつ異なりますが、Fコードを押さえるときは「指先が上」を向き、「(上下の)真ん中」あたりに指が来るようにしましょう。
基本的に、親指が下の方に位置するほど、他の指を自由に動かしやすくなります。
試しに親指を上の方に持ってきて握り込むようにしてみましょう。かなり押さえにくくありませんか?
親指を上の方に出して握る形もありますが、Fコードに関しては親指が上に来すぎると押さえにくくなります。しかし、反対に下の方に行き過ぎると、他の指が浮いてしまい上手く弦に触れなくなります。
そのため、基本的には(上下の)真ん中あたりに親指が来るようにしましょう。
また、親指が横向きになると、力が入りにくくなります。試しにスマホを親指が横になるように持ってみてください。滑る感じがして持ちにくくありませんか?
ギターも同じです。親指が横を向くと力が逃げて、上手く挟むことができません。親指の指先は上を向くようにしましょう。
人差し指の「指先」と「付け根」をしっかり押さえる
Fコードでは、人差し指が1フレットの弦全てに触れていますが、実際にしっかり押さえなければならないのは、1・2・6弦の3本だけです。3・4・5弦に関しては他の指が押さえているので、力をいれる必要はありません。
そのため、人差し指の「指先」と「付け根」に特に力が入るよう、意識しましょう。
ギターFコードの具体的な練習方法4ステップ
ここからは、具体的なFコードの練習方法を解説します。以下の4ステップで、Fコードを練習しましょう。
- 形を覚える
- 音が鳴っていない弦を特定する
- キレイに鳴っていない弦を練習をする
- 1日数分、少しずつ慣らす
順番に解説します。
1. 形を覚える
まずは、Fコードの形を覚えましょう。
特に人差し指以外の3本の指は、ポジションを間違えやすいので注意してください。ポジションを間違えていると、どれだけしっかり押さえても正しい音はでません。
押さえている弦とフレットが間違っていないかをダイアグラムで確認しつつ、しっかりと覚えましょう。
この段階では、音がキレイに出なくても問題ありません。なんなら力を入れず弦に触れているだけでも大丈夫です。形を覚えられたら、「指を弦から離す→Fを押さえる」を繰り返し、できるだけ素早くFの形を作れるようにしてください。
2. 音が鳴っていない弦を特定する
形を覚えられたら、力を入れて音を鳴らしてみます。最初からFをキレイに鳴らせる人はまずいないので、全然音が鳴らなくても大丈夫です。
一度音を鳴らしてみたら、もう一度Fを押さえ、今度は弦を1本ずつ弾いてください。1本ずつ弾くことで、どの弦の音が鳴っていないのかがわかります。
この段階で、キレイになってる弦、少し鳴ってる弦、全く鳴ってない弦を特定しましょう。
3. キレイに鳴っていない弦を練習する
ステップ2で特定した音が鳴っていない弦の練習をします。音がキレイに鳴らない理由は、基本的に以下のどちらかです。
- しっかり弦を押さえられていない
- 他の指が触れてしまっている
Fの場合は、1の「しっかり弦を押さえられていない」ことがほとんどです。音が鳴っていない弦に集中して力を入れ、音が鳴るか試しましょう。
このとき、他の指は若干力を抜いても良いですが、Fの形は崩さないようにしてください。キレイに音が鳴ったら、今度は他の指にもしっかり力をいれつつ、苦手な指にもしっかり力を入れます。
苦手な指に集中しすぎると、反対に、最初は鳴っていた音が鳴らなくなることがあります。少しずつ指を鍛える意識で、得意な指の力をキープしつつ、苦手な指に力を加えるようにしましょう。
もし、しっかり弦を押さえているのに音がならない場合は、2の「他の指が触れてしまっている」可能性があります。
恐らく、中指・薬指・小指のどれかが触れているので、目視で押さえるべき弦以外に触れていないか確認しましょう。
4. 1日数分、少しずつ慣らす
Fコードは一日二日で弾けるようにはなりません。筋トレのように指の力を少しずつ鍛えなければならないので、2、3の手順を1日数分繰り返し、少しずつ指を鍛えていきましょう。
Fコードの練習に疲れたときは、他のコードの練習をしてもOKです。他のコードを弾いていても指の力は鍛えられていくので、無理せず少しずつ慣らしてください。
ギターのFコードが弾けない・鳴らないときの対処法
どれだけ練習しても、なかなかFコードが弾けるようにならないこともあります。
そんなときの対処法を、3つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。
省略コードや代用コードなど簡単バージョンで弾く
キレイにFコードが弾けない間は、省略バージョンや他のコードで代用しましょう。
例えば、以下のような押さえ方でもFコードに似た響きを出せます。

この押さえ方はパワーコードといって、ロックでよく使われる押さえ方です。ズンズンと低音中心の響きですが、Fとして使用できます。
また、FM7というコードはFコードに、かなり似た響きなので、こちらで代用するのも一つの方法です。

ずっとFコードの練習ばかりしていると、ギターを弾くのが嫌になってしまいます。それはとてももったいないので、今はとりあえず簡単バージョンでやり過ごし、気が向いたときにまたFコードを練習すればOKです。
久しぶりに練習してみると、意外と簡単に弾けることもあります。
形だけ練習する(音は鳴らなくてOK)
ずっとFコードを練習していると、指が疲れてしまいます。そんなときは、音は鳴らさずに形だけ練習しましょう。
「Fコードの形を作る→指を弦から離す」を繰り返し、できるだけ素早くFの形を作れるようにします。
指がFの形を覚えてくれれば、力を入れやすくなります。形だけの練習を繰り返し、指に力が戻ったらまた音を鳴らす練習に戻ってみてください。
Fの練習は後回しにする
Fの練習を一旦やめてしまうのも、一つの方法です。コードは順番に覚える必要はなく、またコードを覚えていないからといって、曲を練習してはいけないわけではありません。
一旦、Fの練習は後回しにし、他のしたい練習をしてみてください。
ギターを弾く力は、どんな練習をしていてもつきます。他のコードを練習したり、曲の練習をしているうちに自然と指の力が鍛えられ、回り回ってFを押さえる練習にもなります。
もし、練習したい曲中にFが出てくる場合は、その部分は飛ばしましょう。Fの部分だけ音を止めてもいいですし、形だけ作って右手を空振りするのも、練習になります。
Fにこだわりすぎて、ギターを弾くこと自体が嫌になってしまうのが一番もったいないので、弾けないときはどんどん後回しにしましょう。
ギターFコードが難しい・弾けないなら省略や代用もアリ
本記事では、Fコードの押さえ方について解説しました。
Fコードは他のコードに比べてキレイに音を慣らすのが難しく、初心者にとっては大きな壁でしょう。しかし、地道な練習をすれば必ず誰でも弾けるようになります。
一番もったいないのは、Fにこだわりすぎて、ギターを弾くこと自体が嫌になってしまうことです。
どうしてもFが弾けないなら、他のコードで代用したり、ひとまず後回しにしても問題ありません。他の練習をしているうちに指が鍛えられ、久しぶりに練習してみると、すんなりFが弾けるようになっていることもあります。
あくまで楽しく、自分のペースで練習を楽しんでください。