アレン・ハインズの使用ピック、ピッキング方法などについてまとめました。
実際に参加したクリニックやインタビュー記事など、アレン・ハインズ本人の解説を元に書いています。
- アレン・ハインズの使用ピック
- アレン・ハインズのピックの持ち方、ピッキング方法
- アレン・ハインズ流ピッキングのメリットデメリット
- ピック弾き、指弾きの使い分け方法
アレン・ハインズの使用ピックはどこでも買えるアレ
ピックはJim Dunlopが出している、JAZZ Ⅲの黒を使っています。
Jazz Ⅲは大きめのXLやウルテックス素材のものなどいろんな種類がありますが、一番スタンダードな小さいやつです。
1984年以来、ずっとこのピックを使っているそう。
赤ではなく黒を使っているのは、黒の方が少しだけダークなサウンドに感じるからとのことです。
アレン・ハインズのピッキング方法解説
アレン・ハインズのピッキングを「ピックの持ち方」、「当て方」、「カッティング時の使い分け」の3つに分けて解説します。
ピックの持ち方
親指と中指を表面に当てて、人差し指は側面に添えるように持ちます。
真似してみました。わかりやすく赤いピックを使っていますが、アレン・ハインズは黒を使っています。
握りはかなり深めです。
独特な握り方なので、バークリー時代には「そんな弾き方をしちゃだめだ!」と散々言われたらしい。
それでも普通の弾き方ができなかったので、この握り方を貫いたと言っていました。
このことについてアレン・ハインズは次のように言っています。
音楽はアートであり、クリエイティブなものだから、一般的なルールに自分が合わなかったら、1人ひとりが自分のやり方を見つければいいんだ。
引用元:シンコーミュージックスコア 編集部、『セッション・ギタリストの流儀』 シンコーミュージック、2020年2月29日、28頁
レッスンでも生徒に「このピックの持ち方をしなさい」とは言わず、「自分のやり方を見つけなさい」と言っているそうです。
ピックの当て方
当てるのは側面
ピックの面ではなく、側面部分を当てます。
アレン・ハインズは、弦を弾くのではなく、「擦る」と表現していますね。
この動画が、手元がよく見えてわかりやすいです。
アレン・ハインズのタッチは超ソフト
アレン・ハインズは、ピッキングのタッチが超ソフトです。
誰かが、「アレン・ハインズの機材を、セッティングそのままに弾かせてもらったらすごい爆音でびっくりした。」と話していました。
それだけ爆音のセッティングでもうるさいと感じさせないほどタッチが柔らかいんですね。
ダウンピッキングはほぼしない
ライブを見てわかる通り、アレン・ハインズはほぼアップピッキングしかしません。
レガートが主体なので、弦移動の最初だけピッキングすることを基本にしています。
なのでオルタネイトでピッキングする必要がなく、アップかダウンのどちらかで十分なんですね。
このようなチョップ奏法的な、アタック感を出す場合はダウンピッキングを使います。
カッティングはどうしてるのか?
カッティングは指でする、と話しています。
指でカッティングなんてできないでしょ、と思ったんですがしてました・・・。
曲によってはピックでカッティングも全然してるので、そのときによるみたいです。
シングルノートのファンキーなリフを弾く場合は、ピックを使います。
少しだけ、先の尖った方に当てるように弾くそうです。
このバッキングなんかはそうですね。
このときどのくらい深くピックを当てるかに、すごく気を遣うそうです。
アレン・ハインズ流ピッキングのメリット、デメリット
アレン・ハインズ自身が話す、このピッキングのメリットとデメリットです。
メリット
普通のピッキングのように面を当てるのではなく、側面で擦るように弾くと話しました。
これによって、とてもソフトなアタックになるとアレン・ハインズは話しています。
これが一番のメリットです。
あの繊細なタッチはこのピッキングならではなんですね
デメリット
デメリットは、フルピッキングの速いフレーズを弾くのが難しいことだと話しています。
そもそもアレン・ハインズがレガート主体になったのは、ポール・ギルバートのような速弾きができなかったかららしく。
速弾きが苦手だった理由は、この持ち方をしていたからかもしれないですね。
ピック弾きと指弾きの切り替え方法
アレン・ハインズは指弾きもよく使います。
ジェフ・ベックやデュアン・オールマン、ジョーパスなどの影響だそうです。
ピック弾きから指弾きに切り替えるときは、人差し指と中指の間にピック挟みます。
こんな感じですね。
この動画がわかりやすいです。
アレン・ハインズの詳しいインタビューは「セッション・ギタリストの流儀」がおすすめ
セッションギタリストの流儀という本が、長めのインタビューやリックが紹介されていておすすめです。
アレン・ハインズ以外にもラリー・カールトンやリー・リトナー、マイケル・ランドウなど凄腕セッションギタリストのインタビューがたくさん載っています。
面白いし勉強になるので、ぜひ読んでみてください。