アコギとエレキの違い!初心者におすすめなのは?音や難易度で比較

 
悩んでいる人
ギターを始めたいけどエレキとアコギは何が違うんだろう?
初心者にはどっちがおすすめなのかな?
こんなお悩みを解決します。
  • エレキとアコギの違い3つと共通点
  • エレキとアコギのメリット・デメリット
  • 初心者にはどっちがおすすめか
  • エレキとアコギの音色・使用曲・奏法の例
ボクはギター講師、スタジオミュージシャンです。
アコギもエレキもレッスンやレコーディングで数多く弾いています。

今回は、「エレキとアコギの違い」についてお話しします。

ギター初心者には、違いや、どんな曲に向いているのか想像できませんよね。

この記事を読めばエレキとアコギの音色や奏法の違いから、あなたのしたい音楽にはどちらが向いてるのかまでわかります。

「ギターを始めよう!」とワクワクしている気持ちを、少しでも後押しできたら嬉しいです。

記事中には比較音源や、曲の具体例もたくさん用意しています。

それでは、さっそくいきましょう!

エレキとアコギの違い。特徴は3つ!

エレキとアコギの違い一覧表

初心者が知っておくべき違いは、音色音量難易度の3つです。

他にも違いはありますが、特に重要な3つに絞りました。

違い①:音色

エレキギター ➡︎ アンプなどの機材の設定で色々な音が出せる。
アコースティックギター ➡︎ 基本はギター本体から出る音一種類。

エレキギターは本体のノブを調整したり、スピーカーの役割をする「アンプ」に繋いだりすることで、色々な音が出せます。

エレキギターで使われる、代表的な音色を3つ聴いてみましょう。


クリーンな音:綺麗な澄んだ音。

歪んだ(ひずんだ)音:ロックな曲で使われることが多い。

コード弾き。

ソロ。

幻想的な音:エフェクターという機材を使って、極端に音色を変化させています。

エフェクターには色々な種類があり、一つ一つ音を変える効果が違います。


アコギは、エレキのように音色を極端に変えられません。
基本はギター本体から出ている音そのままです。

実際に聴いてみましょう。


アコースティックギターの音

ギター本体の音が空気を振動させた、暖かい音ですね。


エレキとアコギ、どちらにも良さがあります。

自分はどちらの音が好きか、考えてみてください。

エレキは、設定次第でアコギに近い音も出せます。
アコギの音を真似するエフェクターがあるからです。
反対にアコギでは、エレキのような音を出すことはできません。

違い②:音量

エレキギター ➡︎ 本体から出る音量は小さい。アンプで大きくする。
アコースティックギター ➡︎ 本体から直接大きな音が出る。

エレキは本体から出る音量がとても小さく、人の話声くらいです。
なのでアンプというスピーカーを使って音を大きくします。

反対にアコギはアンプを使わなくても、十分大きな音が出せるのが特徴です。

この楽器本体から出る音を「生音」と呼びます。

それぞれの生音を比較してみましょう。

エレキギターの生音

アコースティックギターの生音

それぞれ同じ距離にiPhoneを置いて録音しました。
だいぶ音量に差がありますよね。

違い③:最初の難易度

初めてギターを弾くなら、エレキの方が弾きやすいです。

なぜならエレキの方が弦が細く、柔らかいので簡単に押さえられるからです。

しかしギターに慣れてくると、アコギでも簡単に弾けるようになります。
一番最初はエレキの方が簡単ですが、ギターに慣れれば難易度は変わりません。

エレキは色んな奏法があるから難しいって聞いたことがあるけど・・・

最初はエレキの方が簡単なので、難しい奏法に到達するのが早い。
だから、色んな奏法をする人が多い印象なのかもしれません。

しかしアコギでも上達していけば、色んな奏法があります。
なのでエレキだけが色んな奏法をしなくちゃいけないから難しい、と考える必要はありません。

エレキとアコギの共通点

歴史的にはアコギの方が先にありました。
それをスピーカーに繋いで音を大きくしようと開発されたのがエレキギターです。

なので基本的な奏法や構造、楽譜などは同じです。

どちらも弦は6本で、音の場所も同じ。
エレキでコード弾きもしますし、アコギでソロも弾きます。

エレキとアコギの違い。メリット・デメリットを解説

ここまで説明した違いを踏まえ、エレキとアコギのメリット・デメリットを比較しました。

エレキのメリット

エレキのメリット① 弦が柔らかいので初心者でも弾きやすい

難易度の違いで話した通り、エレキは弦が柔らかいので初心者でも弾きやすいです。

弦が柔らかいと押さえる力もいらないので、簡単に綺麗な音が鳴らせます。

エレキのメリット② 生音が小さく、家でも練習しやすい

ギターを始めた多くの人の悩みが、練習場所・騒音対策です。

エレキは生音が小さく、アンプに繋がなければ大きい音は出ません
なので家でも練習しやすいです。

アンプに繋いで、自分だけヘッドフォンで臨場感ある音を聴くこともできますよ。

エレキのメリット③ 演奏できるジャンルの幅が広い

エレキはアンプの設定などで色んな音が出せるので、それだけ多くのジャンルに使えます。
歪んだ音でロック、クリーンな音でポップス、柔らかい音でジャズ、などなど。

アコギに比べて弾きやすいので、早い段階から色んな奏法にも挑戦しやすいです。

エレキのデメリット

エレキのデメリット① 最初に買うものが多い

エレキは本体と一緒に、アンプとアンプに繋ぐケーブルを買わなければいけません。

生音で練習してもいいですが、あまり楽しくありません。
アンプを使って練習した方が、上達もしやすいです。

値段は様々ですが、アンプとケーブル合わせて数千円〜一万円ほどかかります。

エレキのデメリット② 弾き語りには不向き

弾き語りとは歌を歌いながら、同時に楽器を演奏すること。

エレキでコード弾きもできますが、バンドと一緒に弾くことがほとんどです。
エレキ一本だけでコードを弾いて、弾き語りはあまりしません。

響きが電気的で、アコギのような生々しい弾き語りに適した音ではないからです。

エレキのデメリット③ 重い

アコギは中が空洞になっているのに対し、エレキは分厚い木の板に色んなパーツがついています。

想像しただけでもエレキの方が重そうですよね。

そんなに重要な問題ではありませんが、お子さんが使う場合などは購入前に持ってみるのがおすすめです。

アコギのメリット

アコギのメリット① 一人でも気軽に楽しめる

ギターでコードを弾いて、歌を歌う「弾き語り」はほどんどアコギを使います。
弾き語りには、エレキよりアコギの方が適しているからです。

アコギのメリット② アコギ本体があれば始められる

エレキのように、アンプやケーブルは必要ありません。

弦を弾くためのピックは必要ですが、100円程度です。

なのでギターさえ買ってしまえば、ほぼそれ以上のお金はかかりません。

アコギのメリット③ 軽くて持ち運びが楽

アコギはエレキに比べ、とても軽いです。
アンプもいらないので、セッティングの手間もありません。

パッと手に取って弾ける手軽さも、アコギの魅力の一つですね。

アコギのデメリット

アコギのデメリット① 家で練習しづらい

アコギは本体から出る音が大きいです。

なのでアパートなどでは、苦情がくる可能性があります。

家では小さく弾いたり、消音用の道具を使うなどの工夫が必要です。

アコギのデメリット② 弦が硬いため最初は弾きにくい

アコギの弦はエレキに比べ、太くて硬いので力がいります。

ギターを弾く力がついてくるまでは弾きづらいので、ここで挫折してしまう人も多いです。

弦には色々な太さがあります。
できるだけ細いものにしておくと押さえやすいですよ。

弦のパッケージに書いてる数字が太さを表しています。

この弦が、細くて弾きやすいのでオススメです。

アコギのデメリット③ エレキに比べると演奏できるジャンルの幅がせまい

アコギはエレキのように極端に音色を変えることができません。

バンドの曲をアレンジして演奏もできますが、雰囲気はだいぶ変わります。

エレキ特有の激しい音や、電気的な音はアコギでは出せません。

エレキとアコギ、初心者にはどっちがおすすめ?

結局エレキとアコギ、初心者にはどっちがオススメなのか。
2つのパターンでお話しします。

  • 演奏したいジャンルが決まっていないorエレキもアコギもしたい場合
  • 演奏したいジャンル、弾きたいギターが決まっている場合

やりたいジャンルが決まってないorエレキもアコギもしたい場合

この場合は「エレキギター」をオススメします。

なぜならエレキの方が弾きやすく、最初から楽しく練習できるからです。
音色の幅も広く、色んなジャンルにも挑戦しやすいです。

昔はアコギの方が鳴らすのが大変だから、最初にアコギで鍛えてからエレキの方がいいという話もよく聞きました。

しかし僕の経験上、この考え方でアコギを始めると挫折する可能性が高いです。

アコギが弾きたい!と強く思っていれば頑張れますが、どっちでもいいならエレキの方が最初から楽しく弾けて挫折しにくいです。

エレキから始めたらアコギに持ち替えたとき苦労しませんか?

エレキに比べると、最初は弾きにくいと感じるかもしれません。

ですが基本ができていれば、アコギに持ち替えてもすぐに慣れます。
実際にボクの生徒さんで、エレキで始めてからアコギを始めた方もたくさんいますが問題なく弾けています。

やりたいジャンル、弾きたいギターが決まっている場合

「こっちのギターがいい」、「こんな音楽がしたい」と決まってる方はそれに合ったギターで始めましょう。

何事も「楽しい」や「好き」といった感情ほど、強いエネルギーはありません。
逆にそれさえあれば、ちょっとした弾きにくさや難しさはクリアできます。


ボクは最初アコギから始めました。
最初は全然音が鳴らないし指が痛いしと大変でしたが、今では仕事にできるほど上達しています。

「まだまだ汚い音だけど昨日よりは鳴ってる」、「ずっと弾けなかったところが一回だけ弾けた」。
こんな小さい成長が楽しくてたまらなかったから自然と続けられました。


一度、自分のしたい音楽にはどっちが合うかな?と考えてみてください。

やりたい音楽が、エレキとアコギどっちがいいかわからない方も大丈夫です。
代表的な音色と奏法を、有名曲を例にまとめましたので参考にしてください。

エレキとアコギの違いを有名曲で解説。あなたにはこっちのギター!

エレキとアコギ、それぞれの有名曲をまとめました。

奏法や音の特徴も解説してますので、参考にしてください。

エレキの魅力が詰まった奏法・有名曲

ギターリフ

ギターリフとは、1曲の中で何回も繰り返される特徴的なギターフレーズのことです。
「聴いたことあるギターフレーズ」みたいなイメージで大丈夫です。

特にロックの曲では、ギターリフが中心になってできている曲がたくさんあります。

ギターリフの例

RADWIMPS - おしゃかしゃま

Takahiro Matsumoto - #1090 Thousand Dreams

Mステのオープニングに使われている曲です。

Lenny Kravitz - Are You Gonna Go My Way

ギターソロ

ギターといえばギターソロですよね。

大昔はギターは伴奏楽器として使われることが多い楽器でした。
しかし、今ではバンドの花形といったイメージも強いです。

それは曲の中にギターソロを入れることが多くなったからでしょう。

ギターソロの例

ギターソロの箇所から再生されます。

ONE OK ROCK - Re:make "Mighty Long Fall at Yokohama Stadium" LIVE

Queen – Bohemian Rhapsody

世界的なロックバンド「Queen」の曲から。
映画が大ヒットしたので、聴いたことのある方も多いのではないでしょうか?

ズンズンと迫力のある音(パワーコード+ブリッジミュート)

歪ませた音でブリッジミュートという奏法をしています。
ズンズンと迫力のある音が特徴です。

ブリッジミュートの例

ONE OK ROCK - The Beginning

曲始まりのピアノと一緒に鳴っている、ズンズンと少しくぐもった音がブリッジミュートです。

キレのいいリズミカルな音(カッティング)

音を短く切ることでリズミカルに聴かせる奏法を「カッティング」といいます。

古くはファンクやR&Bなどのジャンルで使われた奏法ですが、最近はジャンル問わず耳にします。

カッティングの例

UNISON SQUARE GARDEN - シュガーソングとビターステップ(ショートVer.

0:16からのギターが、カッティングです。

アコギの魅力が詰まった奏法・有名曲

弾き語り

アコギを始めたい理由の第一位が「弾き語り」ではないでしょうか。
アコギ特有の生々しく、暖かい音が歌にマッチします。

弾き語りの例

あいみょん - マリーゴルド

瑛人 - 香水(弾き語り)

あいみょんさんは「ピック」を使って弾いていますが、瑛人さんは「指」で弾いてますね。
同じ弾き語りでも、ピック弾きと指弾きで大きく雰囲気が変わるのもギターの面白さです。

秦基博 - ひまわりの約束

このようにコードを一本ずつ弾く奏法を「アルペジオ」と言います。
アルペジオはエレキギターでもしますが、しっとりした雰囲気が弾き語りと相性抜群です。

ソロギター

ソロギターは、一人でコードとメロディを同時に弾く奏法です。

弾き語りはメロディが歌、伴奏がギターと役割を分けますが、どっちも同時にギターでやってしまうのが「ソロギター」です。

「何か弾いて」と言われたときに、個人的に一番かっこいいのはソロギターだと思います。

ギターソロと間違えやすいですが、ギターソロは別の人がコードを弾いている上でメロディだけを弾きます。
ソロギターの例

Yuki Matsui - 海の見える街(ジブリ映画:魔女の宅急便より)

星野源 - [SOLO GUITAR NEXT GENERATION] Seiji Igusa

ギターを叩く?特殊な奏法(スラム奏法・パーカッシブ奏法)

アコギは空洞状になっているので、叩くと太鼓のようによく響きます。

弦を弾くのと組み合わせることで、「メロディ」・「コード」・「打楽器」の3要素を同時に演奏できるのです。

スラム奏法・パーカッシブ奏法の例

押尾コータロー×DEPAPEPE×崎山蒼志 - GUITAR SESSIONCyborgONE~五月雨) / THE HOME TAKE
押尾コータローさん(サムネ一番左の方)に注目してみてください。
再生ボタンを押すと演奏開始箇所から再生されます。

他の特殊奏法もされているのでわかりにくいですが、度々ギターを叩いているのがわかると思います。

エレキとアコギの違いを知って、自分に合う一本を見つけよう

最後にもう一度、記事の内容をまとめておきます。

  • 初心者が知っておくべきエレキ、アコギの違いは、音色音量難易度の3つ
  • それぞれ自宅練習のしやすさや、持ち運びのしやすさなどメリット・デメリットがある
  • 最初にどっちを選ぶかの最優先事項は、演奏したいジャンル
  • 決めきれない場合は、エレキがおすすめ!

違いがあるからこそ、それぞれの楽しさがあります。

すでにこんな曲が弾きたい!こんな奏法がしたい!とワクワクが止まらないあなたは、それを最優先に選んでください。

どっちも弾きたい!決めきれない!と悩んでしまう方は、まずは弾きやすいエレキから始めてはどうでしょうか?

こちらの記事で初心者におすすめのエレキ、アコギをまとめています。
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